農芸鴨について
このページでは、農芸高校総合環境部の生徒たちが育てている農芸鴨と農芸高校について紹介します。
農芸高校の総合環境部は、農業を総合的に捉え、環境にやさしい農業の確立を 目指して活動しています。活動の一環の中で、生物の多様性をいかした栽培と畜産を同時に行う「耕畜融合」による、米づくりとカモの生産にも取り組んでいます。
ヒナの飼養管理から食鳥処理、加工販売まで。生徒たちは、その全工程を一貫して学ぶ中で「農と食と命」について深く学んでいます。
農芸鴨の魅力を、9つに分けてお伝えします。
1. 環境を守る鴨
農芸高校で取り入れている「合鴨水稲同時作」は環境にやさしい農法です。鴨が水田を泳ぎ、雑草や害虫を食べてくれることで、完全無農薬・無化学肥料の田んぼを実現することができます。
この農法は、農林水産省が2023年に策定した 「みどりの食料システム戦略」にも合致するもので、農芸高校総合環境部では20年以上前から実践してきました。
2. SDGsな鴨
合鴨水稲同時作では、無農薬の有機農法にこだわることで、地域の自然と共生しています。
水田の生態系を整えるのも、鴨の役割の一つです。その地域ならではの自然を守り、持続可能な農業の実現につながっています。
3. 幸せな鴨
「自然飼育」であることも、農芸鴨の飼育の特徴です。高密度で運動が制限された一般的な飼育とは異なり、水田を自由に泳ぎ回れる環境で育てています。

肥育期間を過ごす水禽舎も、暮らしやすさにこだわった特別設計。アニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮した飼育を心がけています。
4. 人を育てる鴨
命の誕生から飼育・食鳥処理・販売まで。
総合環境部の生徒たちは、一貫した実習を通して「農と食と命の大切さ」を学んでいます。
近隣の小・中学校を対象にした食育の取り組みも行い、この学びを地域の子どもたちにも伝えています。
5. 人を助ける鴨
ふれあいを通じて心身の改善効果をめざす 「ダックセラピー」の活動にも取り組んでいます。
家禽を活用したセラピーには前例が少なく、 新しい分野の開拓として、その可能性を追求しています。
6. 大阪の伝統を守る鴨
大阪の鴨肉生産は、豊臣秀吉が居城を移した際に飼育を奨励したことに由来すると言われています。明治から昭和40年頃までは日本一の生産量を誇りましたが、現在ではその規模は大きく縮小しました。
それでも、育種から生産、食鳥処理までの技術がすべて揃っているのは、今も大阪だけです。 農芸高校は、その伝統を守り続けることを目標に活動しています。
7. 美味しい鴨
研究を重ねた、改良種系の「白農芸鴨」と原種マガモ系の「黒農芸鴨」。農芸鴨には、この2種類のブランド鴨がいます。
10年以上の研究を重ね、運動量と給餌のバランスにより、旨み成分が豊富で、肉汁を保持できる、ジューシーな肉質に仕上がっています。自然飼育であるがゆえに大量生産は難しく、大変貴重な食材です。
8. 高校生の愛情が注がれた鴨
ヒナから育て、食鳥処理を行い、お肉として活用するまで。農芸高校総合環境部では、その全工程を生徒たちが一貫して担っています。
全国の農業高校で初めて、鴨の食鳥処理場の許可を取得した施設です。これらの工程は、すべて生徒の手で行われています。命をいただく立場として、最後まで愛情をもって向き合うことを心がけています。

5月:ヒナを導入

6月:水に慣らし、水田での飼育に備える

7月:水田に放ち、合鴨水稲同時作が始まる

8月:肥育し、食鳥処理を行う
9. 堺市美原区に貢献する鴨
農地の後継者不足という地域課題を改善するため、農芸高校総合環境部では、美原区活性化プロジェクト「みっかつ」の取り組みの一つとして、株式会社IKIpuroと連携し、ひとつの田んぼを複数人で共有する「合鴨田んぼオーナーサービス」の実用を目指しています。
美原区の「農地」と、ブランド鴨「農芸鴨」を使った「合鴨農法」を行い、地域活性化に貢献しています。
